2009年10月8日木曜日

「船頭」


今月の大津絵は「船頭」と名づけられた絵です帆掛け舟を漕いでいる奴の絵です 大津絵では生活を描写している絵柄は少ないのですがその中の一つです簡略な描き方で波以外は黄土色と黒色だけのしごく簡略されたていかにも大津絵の特色が出ている絵だとおもいますどうか台風が無事通過してくれること祈って

2009年9月7日月曜日

井手観音


大津絵は仏画を描かれたのが始めだと言われております その仏画の中の千手観音です正式な千手観音からは遠く離れた描写ですが彼ら大津絵師たちは少し位、でも無いが 大分儀軌から外れていても気に留めないで、複雑なところは平気で省略していったのでしょう買う人もそんなことは気にしない人たちだったでしょうしかし省略されていてもいざ描くとなると面倒な絵柄の一つです

2009年7月30日木曜日

白無垢美人


。"白無垢美人"と呼んでいる画像です江戸の吉原で「八朔の白無垢」といって旧暦の八月一日に遊女たちが白無垢の小袖を着る風習があって大津絵では恐らく浮世絵などから真似したものでしょう 白無垢を着た遊女の立ち姿を描いたものです 白を基調にした色彩は単純ながら鮮やかに美しく省略の線も引き締まった絵になっております 描く場合にこの省略された線がごまかしが利かなくて技量を試されることになります

2009年7月5日日曜日

「鍾馗さん」




鍾馗は邪気や悪鬼を払うと信じられた中国の神さまです江戸時代に日本に伝わって男児のお守りとして掛け軸にしたり武者人形に作られたりしてきて五月の端午の節句に飾られてきました大津絵では顎から頬への生えあがった髭が強調されているのが一番の特徴です人気があったのか色々の鍾馗さんが残っております力強い線で描くのが勉強です。














2009年6月7日日曜日

大津絵 "猫と鼠”







鼠が盃で酒を飲んでいて傍らに猫が唐辛子を箸でつまんで鼠に勧めている 猫が鼠に酒を飲ませて油断させてから捕らえて食べようとしていることがわかるどういうものか評判がよかったのだろう 猫と鼠と盃と唐辛子といった題材を扱った多くの違った絵柄が残っている酒に飲まれて我を忘れることを戒めている大津絵らしい画題ですね



2009年4月19日日曜日

自作釣鐘弁慶ひえい山


やっとかめだなも (名古屋弁で久しぶりですね)大津絵十種の四番目に弁慶を添付します大津絵に弁慶は2種類存在しています  ひとつはこの前に十種の一覧にのっていた 弁慶が義経とともに奥州の衣川で討ち死にした時 満身創痍で立ったまま最後を遂げたいわゆる弁慶の立ち往生 といわれる画像です 背に七つ道具をしょって長刀を立てた画像ですあとひとつに 弁慶が比叡山にいたころ麓の三井寺といつも争っていて弁慶が三井寺の梵鐘を引きずり上げてあげく谷底へ投げ落としたといわれて 現在も三井寺に弁慶の引きずり鐘として残っており引きずった擦り傷がみえます この画題に少しずつ違った絵柄が残っておりますがこの添付したのは今まさに投げようとしている足元の山に ひえい山 と読める面白い絵柄です  大津絵屋にもしゃれっ気のものがいたのですね

鬼念仏


ご存知のとうり鬼念仏といえば大津絵 大津絵と言えば鬼念仏といわれるように
大津絵の表看板で一番売れています恐ろしいはずの鬼が角を折り牙も折り奉加帳を下げて布施を乞いながら歩く姿は哀愁とともにどこか滑稽な姿と意表をついたのに大津絵としての代表的な人気があったのでしょうか